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Toggle不良在庫の宿命とシルバー925の現金化の可能性
商売として商品を仕入れる以上、不良在庫が一定数出るのは避けられない宿命です。どんなに商品選定に自信があっても、すべてが売れるとは限りません。トレンドの変化や需要の読み間違い、あるいは競合の増加など、様々な要因が不良在庫を生み出します。この現実は、物販ビジネスを営む者にとって共通の課題です。
不良在庫の中でも、特に厄介なのが売れ筋から外れた商品です。原価割れどころか、999円程度のたたき売りにしても売れない場合、もはや処分を考えるしかありません。しかし、多くの商品は処分するにもコストがかかり、場合によっては引き取り手すら見つからないこともあります。こうした状況に陥ると、不良在庫が利益を圧迫するだけでなく、倉庫スペースを無駄に占有する問題も発生します。
シルバー925の価値に注目
そんな中、シルバー925の商品であれば、不良在庫であっても地金としての価値があるため、現金化が容易です。シルバー925は、92.5%の純銀を含む合金であり、その純度から地金買取の対象となります。地金買取では、商品の状態やデザインは関係なく、純銀の含有量に基づいて価格が決定されます。そのため、デザインが時代遅れで売れ残ったアクセサリーでも、地金価値で買い取ってもらえます。
また、銀の価格は国際市場で取引されており、金ほどではないものの、比較的安定した資産価値を持っています。不良在庫となったシルバーアクセサリーも、地金として見ることで新たな収益源に変えることができます。
シルバー925の価値と可能性:工業需要の拡大が引き起こす価格高騰
近年、シルバーの価値が急激に高まっています。この背景には、工業製品におけるシルバー需要の拡大が深く関係しています。特にソーラーパネル市場での需要が、シルバー価格の上昇を強力に後押ししています。
世界的な脱炭素化の推進により、再生可能エネルギーへの関心が高まり、特に太陽光発電が急速に普及しています。ソーラーパネルの製造にはシルバーペーストという素材が使用されており、シルバーが効率的な電力変換を実現するために不可欠です。1枚のパネルに必要なシルバーの量は少量でも、世界規模での導入が進む中で、その需要は膨大なものとなっています。実際、2024年の予測では、ソーラーパネル分野でのシルバー需要が前年比で20%増加し、約7,217トンに達すると見込まれています。これは10年前の需要と比較して数倍の増加となっており、ソーラーパネル市場がシルバー価格高騰の主因となっていることは明白です。
また、シルバーの需要が増加しているのはソーラーパネルだけではありません。電子機器や医療機器、自動車(特に電気自動車)など、シルバーを必要とする分野は拡大の一途をたどっています。その理由は、シルバーが持つ優れた導電性や耐腐食性、抗菌性といった特性にあります。これらの特性を活用した製品が増えることで、シルバー需要はさらに高まっています。
しかし、この急激な需要増加に対し、供給は追いついていません。シルバーの供給は主に鉱山生産とリサイクルによってまかなわれていますが、世界的な需要に追いついていません。
今回は大体400g程度のシルバーを売却
2020年頃、1グラムあたり98円で仕入れたシルバー商品がほとんどで、その他には、不良品として返品されたものや破損したもの、さらに大昔の私物が1点、といった内容です。この時点でのシルバーの買取価格は、「なんぼや」さんの買取相場で125円/グラムとなっています(この記事執筆中も相場は上昇中ですね……)。
たとえ破損や返品された商品でも、銀そのものの価値は減少しないため、絶対に捨ててはなりません。大昔の私物など一見価値がないように見えるものも、シルバー925の刻印がある場合、買取対象となります。
実際にシルバー925を現金化してみた
今回は、「なんぼや」さんの宅配買取サービスを利用して現金化する方法を試してみました。宅配買取は、自宅から商品を送るだけで査定・買取を行ってくれるサービスで、コストをかけずに簡単に不良在庫を処分できる便利な方法です。
「なんぼや」さん宅配買取の流れ
申し込み
宅配買取サービスをウェブサイトで申し込みを行います。必要な情報を入力すると、買取キットが送られてきます。
梱包と発送
買取キットにシルバー925の商品を梱包し、発送します。発送費用は無料となっており、出品者の負担はありません。
査定と連絡
商品が到着すると、専門スタッフによる査定が行われ、査定額が提示されます。提示額に納得すれば、そのまま取引を成立させることができます。
現金化
買取金額は銀行口座に振り込まれるため、手間をかけずに不良在庫を現金化することが可能です。
いくらになったのか?
結果から申し上げると、最終的な買取額は「41,729円」となりました。査定の過程で、石付き(宝石が付いている)部分は価値から差し引かれ、さらに刻印のないものは大幅割引に、大昔に購入した私物のペンダントがシルバー925ではないことが判明し、これらは買い取りの対象外として戻ってきました。
買取額をグラム単価で見てみると、おおよそ107円/グラムの計算となります。当時の仕入れ原価が約105,000円であることを考えると、最終的に約39%を回収できた結果です。この数字を多いと見るか少ないと見るかは、個々の判断によるかもしれませんが、お金を払って廃棄することを考えれば遥かに有利な商材であることがわかると思います。
回収率39%の確かな価値
39%という数字は、一見すると高いとは言えないかもしれません。しかし、商品が市場で売れ残り、不良在庫として保管され続ける場合、多くの商品は最終的に廃棄することになり、さらに処分費用がかかるケースも少なくありません。そのような状況と比較すると、シルバー925の地金価値を活用して確実に現金化できるという事実は、ビジネスにおいて非常に大きなメリットと言えます。
たとえデザインやトレンドの影響でアクセサリーとしての価値が失われたとしても、シルバー925はその金属自体の価値を維持しています。今回のように、不良在庫の39%を現金として回収できたことは、完全な損失を避けつつ、次の仕入れや運転資金へと繋げる手段として機能します。
これは「在庫が全く売れない」「仕入れに失敗した」といった状況に直面しても、一定の収益を確保できる仕組みがあることを示しています。シルバー925は、アクセサリーとしてだけでなく、地金という資産として価値を持つため、不良在庫を資産価値に転換する安定した選択肢として注目すべきです。
銀の価格はこれからも上がり続ける
銀の価格は、今後も長期的には値上がりし続けると予測されています。これは、銀が持つ特性とその需要増加のトレンドに裏打ちされています。特に、工業製品や再生可能エネルギー分野での利用が拡大していることが、銀価格の安定した上昇を支えています。これから物販やシルバー製品を扱う方にとって、この動向を正しく理解し、戦略的に活用することが重要です。
銀価格の上昇と在庫の価値
銀価格の上昇は、持っている在庫の地金価値にも直接的な影響を与えます。デザインや需要の変化によりアクセサリーとしての販売が難しくなった商品でも、銀そのものの価値が上がれば、その在庫が将来的に大きな資産となる可能性があります。
例えば、今の時点では売りにくいと感じる商品も、銀価格が高騰した際に売却することで、通常よりも大きな利益を生み出すことができます。不良在庫として保管するだけではなく、その地金価値を意識し、価格が大きく上昇するタイミングまで保管するという戦略も有効です。
商売の規模が大きくなれば、必然的に不良在庫も増えるものです。特に物販では、一定割合の商品が売れ残ることは避けられません。しかし、その不良在庫が銀製品であれば、ただの負債にはなりません。銀価格が上昇し続ける限り、在庫を資産として管理することが可能です。
急激に銀価格が高騰した際に、それらを一斉に売却することで、大きな利益を得ることができます。このように、不良在庫をリスクとして捉えるのではなく、将来的な利益の源泉と考えることが重要です。
銀価格を常にチェックする習慣を
この戦略を成功させるためには、銀価格の動向を常に把握することが必要です。日々のレートをチェックする習慣をつけることで、価格が上昇しているタイミングや急激な高騰が起こる兆候を見逃さないようにしましょう。
また、銀相場は国際的なニュースや経済動向、工業製品の需要予測などに強く影響されます。これらの情報を収集し、タイミングを見極めることで、より効果的な売却が可能になります。
タイの銀相場を確認したいならこちら
https://ja.bullion-rates.com/silver/THB/spot-price.htm
円での銀買い取り相場を見たい場合はこちら(なんぼや様)
まとめ
シルバー925の商品が不良在庫となった時、多くの人が「仕入れの失敗だ」と捉えるかもしれません。しかし、それは本当に失敗なのでしょうか?商売の現場では、売れ筋を狙った商品がトレンドの変化や需要の予測ミスで売れ残ることは避けられません。ただ、シルバー925の商品には、地金としての価値が残るという他の商品にはない「保険」があるのです。
銀は、世界中で需要が伸び続ける稀少な金属です。価格は長期的に上昇する傾向があります。つまり、不良在庫となったシルバー925を廃棄やたたき売りで処分するのではなく、相場が上昇するタイミングを待って売却するという戦略を取れば、単なる在庫が資産へと変わる可能性があるのです。
不良在庫はどのビジネスでも避けられない問題ですが、シルバー925のような地金価値を持つ商品は、そのリスクを大きなチャンスに変えられる特別な存在です。「値段が上がるまで待つ」という選択肢がある以上、不良在庫をリスクとして捉える必要はありません。
多くの商材は不良在庫が負債にしかならない中、これは大きなアドバンテージです。ぜひこれを念頭においてシルバー仕入れを行っていただきたいと思います。
ご参考になれば幸いです。