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Toggle2日目はピュアシルバーの買付に
今回のタイ訪問の大きな目的は、純銀の部材であるインゴットやチップの仕入れルートを確保することでした。案内していただいた社長様や経営者の方々と合流し、全員で車に乗ってバンコク郊外の工業地帯へ向かいました。そこはセキュリティが非常に厳重で、もしタクシーで行けば運転手も尻込みするような雰囲気の場所です。
工場では贈答用に使われるような彫刻入りのインゴットなどもあり非常に興味深いものでしたが、最近は投機目的の買いが進んでおりシルバー価格は上昇を続け、特にインゴットの買取価格の高騰が顕著です。そのため今回はインゴットではなく、粒子状のシルバーグレイン(チップ)を1kg仕入れることになりました。
シルバーグレイんであればオリジナルのシルバーアクセサリーを制作している工房様への販売も視野に入れられるかもしませんしね。
ただし国内にはインゴットへ精錬してくれる企業があるため、加工費を支払って形を整えることも可能であり、チップそのものでも買取価格が高騰しているため十分に価値があります。仕入れルート自体は確保できたので、興味のある方はぜひご連絡ください。もっとも、銀の価格が上がるということは必然的にアクセサリーの価格も引き上げざるを得ず、現状の価格帯を維持したままでは利益を圧迫し事業の持続性が危うくなりかねません。難しい局面ではありますが、ここは踏ん張り時と捉え、適切に価格改定を進めていく必要があると考えています。
夕食は日本食屋へ
インゴットの仕入れを終えたあと、一旦経営者の皆さんとは解散となりましたが、ご夕食にとお声がけいただき、一度はぜひとお返事しました。ところがホテルの部屋に戻った途端、とてつもない睡魔に襲われてしまい、気がつけば4時間ほど眠り込んでいて、起きたときには約束の1時間前でした。おそらく時差ボケもあって体調が万全ではなく、結局は食事会を辞退させていただき、さらに2時間ほど眠ることにしました。さすがに空腹で眠れなくなり、ようやく食事を探すことにしましたが、私はあまりタイ料理を食べません。好きではあるのですが、すぐにお腹にきてしまうのと、ローカルの店に入りづらい雰囲気もあって、つい日本食を探してしまいます。そこで見つけた居酒屋に入り、瓶ビールやハイボール、日本酒と数品の料理を注文しました。会計は2,000バーツほどで、金額自体は特別高いわけではありません。4年前にバンコクで日本食を食べたときも同じくらいでした。ただ、今のレートで4.5倍に換算すると1万円を超えるため、日本で同じように飲み食いするのに比べると随分と割高に感じます。日本なら6,000円もかからないでしょう。「高いな」と思いながらも、味は間違いなく美味しく、結局は最終日までこの店に通うことになりました。異国の地でこれほどの日本食が食べられるのは、先人が築いてきたもののおかげであり、本当に感謝しかありません。
3日目は仕入れ品の支払いと回収
3日目はいつもの通訳さんを雇って、日本から注文していた商品の支払いと回収をしてきました。今回は資金的にも新規開拓はできないので、去年のようなバタバタはなく、すいすいと予定を消化。追加で欲しいリストを持っていったので、在庫があるものはテスト販売用に少量だけ買ってきました。やっぱり今はブレスレットやバングルが熱いですね。大きめでもよく売れるし、利益率も高い。バリエーション展開もやりやすいので、この辺りは主力として伸ばしていけそうです。利益率50%くらいは全然いけます。
一方でネックレスチェーンは大きな利益は取れないけど、あずき、ボール、喜平といった定番に加えてスネークチェーンなんかも、ホントにコンスタントに売れてくれるアイテム。だから次の資金調達が成功したら、種類を増やしていこうと思っています。
去年カレンシルバーで仕入れたリングで、値引きせずに即売り切れた商品があったんですが、そのブレスレット版を見つけたので今回仕入れてきました。試しに売ってみて好調なら、工房でリメイクして原価を抑えた展開も考えています。シルバーは毎回新しい発見が多くて、現場にいるとアイデアがどんどん湧いてきますね。
財布類は今回もスティングレイレザー一択で、ほぼリピート注文。カウレザーもいいんですが、利益を取れるのはやっぱりスティングレイ。前回ヒットした商品からカラーバリエーションを増やしたものを中心に、今回は容量を大幅に増やしたショートとロングの2種を新しく作ってみました。デザインは一枚革のオーソドックスなタイプ。これが売れたら、次はカウレザーとの組み合わせで少し個性的なデザインをプラスし、さらに利便性の高いインナー構造を取り入れたモデルも考えています。
それから、いつもお世話になっているショップさんでワニ革のバッグについて話をしたんですが、ワシントン条約関連の規制が前より厳しくなっていて、仕入れる人が減っているみたいです。サイテスの手続きも面倒ですしね。ヒマラヤクロコの女性用トートが2万バーツちょっととのことでしたが、輸入には工夫が必要。でもやってみる価値はあるなと感じました。いずれにしても来年の資金調達の成否にかかってきますが、焦らずじっくりやっていこうと思っています。
回収の最後はモールド制作・小ロット生産を請け負ってくれている工房へいってきました。今回結構な数の新規モールド制作と量産があったんでサンプル品と見比べながらじっくり見てました。びっくりするくらい精巧にできていますが、実は少し空洞を作ったりして重量下げてもらっています。重さが下がれば原価も下がるので。
あとはChatGPTで描き起こした画像から作ったサンプル品も出来上がっていました。こっちはブログネタとプロモーションを兼ねて作った感じなんですが、思いの外よくできているので販売しようかなと思っています。かなり複雑な形状なので厚みに問題があって2回くらい試作してくれたそうで、複雑になるとここらへんお客様と折衝が必要だなーとか考えていました。ちなみに画像から3D製図もタイでやってもらえます。来年の仕入れ分のサンプル品は渡してあるので年末頃にモールド制作の依頼をして、来年には原価の低い量産品をまた入れたいですね。
Jteapaの制作依頼と一緒に荷物を預けて今年のタイ仕入れはおしまいです。次回は少しタイの国内事情について書こうかと思います。