商品管理面の効率を上げるために
現地に直接買い付けに行った場合などによくありがちなのですが、同じ商品でも個体差であったり細かな仕様であったりと、微妙に一つ一つの商品が違う場合があります。
- 指輪のサイズ
- ファスナーの色、形状、素材
- インナーの色、ポケットの数
- 925の刻印の位置
- 小さな装飾の有無
- 付属品の有無、また素材の違い
この他にも様々な微妙な仕様の違いというものがあり、これらの個体差があると販売をする時に非常に手間がかかります。
商品というのはネット販売であれば、販売ページを作成して公開するまでに多くの工程が必要になります。写真撮影であったり、商品紹介文の作成であったり、原価計算や売価計算など、挙げると気分が萎えてきます。
私はもともとIT畑の人間なので、この辺のシステム化・効率化というところはかなり自信があります。昨今は生成AIなどの登場でますますオートメーション化が楽になっていますが、それでも大変なことに変わりはありません。そのため、商品の個体差があるとこれらの工程にかかる工数がどんどん膨らんでしまうわけです。単純に時間もかかりますしモチベーションが下がります。おそらくネット物販を始めた多くの方はこれらの作業で挫折している人が相当数いると思われます。
これらは単純にクレームにつながる
作業工数が増えることは既に書きましたが、作業段階でこれに気づけばまだいい方です。知らないまま販売して顧客からクレームが発生し返品になることが一番最悪です。特にシルバーアクセサリーで925の刻印の有無などが間違っていると、事実はどうあれ中途半端な知識を持っている人間から偽物呼ばわりされかねません。
梱包材も配送費もタダではありません。物販を続けていれば数百円の利益、数千円の利益を上げるのがどれだけ大変なのか分かっているはずですので、こういったトラブルが金銭的にも精神的にも大きな打撃を受けます。
問屋によってこういった面を分かっていない店もある
どちらかといえば日本人はこういった仕様の違いについて、言い方は悪いですが神経質な人間が多いのではないかと思います。とはいえ、掲載しているページと実際に手元に届いたものが違うのですから100%こちらに非があります。顧客から返品や返金を求められた場合には応じなければなりません。
まだタイ物販を始めたばかりの頃に製作を依頼していた業者は、こういった販売時の手間や苦労を知ってか知らずか、出来上がる商品に微妙な違いが頻発し、販売するのにずいぶん苦労した記憶があります。「この程度の違いで作り直しをさせられるのか」と憤慨されたこともあるので、ネット物販は写真と文章からしか情報を得られないという特性から商品の仕様が紹介ページ通りであることの重要性が理解されないこともあるかもしれません。店舗を持って店頭で販売していれば、多少の仕様の違いがあったところで客が手に取って買ってくれればそれで良いわけですから、その感覚に近いのかもしれません。
ちなみに、今私が商品の制作を依頼しているところは、まずこういった制作する商品に明らかな個体差が出るようなことはありません。日本人相手に商売をしており、日本語も話す彼らにとって、日本人はどういったことを嫌うのか熟知しているからです。
発注する我々も気をつけなければならない
ある程度人間関係を築き、ビジネス上の信頼関係があれば話は別になるかもしれませんが、基本的に相手は依頼されたことを依頼された通りにしかやりません。別の記事でも述べた気がしますが、依頼されてもいないことに気を回して細かいサービスを無料で行うのは日本人ぐらいだと思っていただいていいと思います。
ですので商品を作る時はできる限り商品の詳細な仕様を指定するべきでしょう。サイズ、素材、色、シルバーであれば925の刻印の有無(925 or S925)、特に見本となるような商品ページは、自分が作りたいその商品の必要なスペックが全て記載されているのですから当然発注書に記載しておくべきです。こうすることでぐっと注文ミスが防げます。
最終的には売り捨ててしまうが最善の手
ここまで述べてきましたが、仕入れを繰り返しているとこういった仕様の違いやミスは避けられません。
そもそも売り物にならないような致命的な製造ミスであれば返品交換ができます。そうでないのなら多少割引しても売り払ってしまうのがいいでしょう。
仕入れというのは現金を商品という資産に変える行為です。その商品は売れないと現金になりません。さっさと現金にして回転率を上げ、資金繰りを悪化させないようにするのは仕入れビジネスの原則でもあります。めげずに頑張っていきましょう。
ご参考になれば幸いです。