販売に至るまでの高い壁
物販をやるには乗り越えなければならない壁がたくさんあります。
ネット物販は仕入れ→掲載→販売→発送→入金のプロセスの繰り返しですが、この作業の中で最も労力を割くのが「掲載」ではないでしょうか。
値札をつけて店頭に並べることができるリアル店舗ではないため、販売ページに掲載するまでにはいくつものハードルを超えなくてはなりません。
その各工程で私が苦手とするものとその乗り越え方について複数記事にわたって書いていこうと思います。
写真撮影
とにかく私はこれが一番苦手です。しかし、過去の記事でも書いている通り、物販において写真撮影が最も重要だと考えています。
私がネットに触れ始めた2000年代初頭から現代に至るまで、ネット物販は基本的に写真を見て商品を購入されることがほとんどです。
おそらく商品を選ぶ際の情報の90%は写真からお客様は得ています。なので、掲載までの工程の中で最も労力を割くのは写真撮影でしょう。写真がなければ何も始まらないからです。
今でこそ私はシルバーアクセサリーであればこういうアングル、こういう情報、革製品であればこういうアングル、こういう情報、とほぼほぼ決まっており、それに沿って写真撮影をし、明るさやカラーリングの調整をし、ある程度綺麗な写真に仕上げるノウハウが蓄積されています。
しかし、そこに至るまでには何度も写真の撮り直しをしていますし、かなりの時間と労力を費やしています。
それでも100点近くの写真を撮影する場合は編集を含めて2日、3日を超える時間がかかってしまいます。商品を美しく撮影するため、白色灯が照らす撮影ボックスに顔を突っ込み、中腰姿勢でカメラのレンズを数時間商品に当て続けるのですから、単純に疲れます。
しかし、撮影だけは外注という選択肢を取らない限り避けることができません。経験と慣れの作業ですね。
これだけ書いても仕方ないので、可能な範囲で作業を楽にするとしたら以下のようなことが挙げられます。
カメラはそれなりにいいデジカメ、またはスマホを買おう
すでに高性能なスマホが手元にあるのであれば、あえてデジタルカメラを買う必要はありません。撮影した写真が高精度であるほど、編集ソフトでできる加工の幅が広がり、写真を美しくできます。多少写真に手ブレが発生しても目立たなくさせることもできます。このデバイスがなければ何も始まらないわけですからあまりお金をケチらない方がいいかもしれません。
撮影ボックスを買おう
シルバーアクセサリーや革製品は幸いそれほど大きな商品ではありません。Amazonで2、3000円程度で買える商品で構わないので、撮影セットを買うことをおすすめします。天井にLEDライトがついていて、セット内を明るく照らしてくれ、撮影に必要な光量を確保できます。写真を撮る人の中には自然光を利用してより美しい写真を撮る方もいらっしゃるのですが、何分天候や時間に左右されてしまうので、初心者はこれがあると色々捗ります。ちなみに私は1m四方の巨大なボックスタイプを使用していて、撮影に使う小道具などを置きっぱなしにできるようにして、そこに上半身を突っ込んで撮影しています。こうして写真を撮るということだけにできる限り注力できる環境を整えています。
GIMPを使いこなせるようになろう
GIMPというのはPhotoshopに似た無料で利用できる高性能な写真加工ソフトです。コントラストの調整、カラーの補正、シャープ加工など、すべてこのソフトで賄うことができます。歴史のあるソフトなのでインターネット上に使い方の情報は豊富にありますし、プラグインを使うことで複数枚の写真に一括で処理をかけるなど、効率的に写真を加工することも可能です。私の場合は自作のプラグインを使用し、ロゴなどの合成をかけた画像を一気に出力できるようにしています。
また、これの他には有償にはなりますが、Photoshop Elementsという買い切りのソフトウェアを購入しており、このソフトウェアに搭載されているバッチ処理で画像の解像度やファイルサイズを一括処理できるようにしています(GIMPでもできますが少々使いづらい)。これは各プラットフォームでアップロードできる1枚あたりの写真のサイズが異なり、アップロード時に自動的に圧縮してくれるプラットフォームもあれば、アップロード前に圧縮しておかなければならないなど、仕様にばらつきがあるためです。Photoshop Elementsを使えば、数十MBの写真を数百キロバイトまで一気に圧縮することができ、元の写真が美しければその分圧縮時の画質の劣化も最小限に抑えられます。ぜひ使いこなしていただきたいところです。
アスペクト比は1対1の方が良い
アスペクト比というのは写真の縦と横の長さの比率のことを言います。アスペクト比1対1というのは、縦が10cmであるならば横も10cmの正方形ということになります。
物販サイトのプラットフォームで掲載される写真はこのアスペクト比が1対1を前提にレイアウトがされていることが多く、これ以外のアスペクト比となると掲載時に余白ができます。この余白が商品の見た目を悪くし、また扱っている商品のアスペクト比にばらつきがあると販売ページ全体の見た目が悪くなります。少なくとも商品検索などで表示されるメイン画像はアスペクト比1対1で撮影しましょう。商品ページの中のその他の写真は比較的自由でいいと思います。デジタルカメラの場合はこのアスペクト比が1対1で最初から撮影できる機能が搭載されているのですが、スマートフォンはなぜか4対3などの中途半端なアスペクト比でしか撮影できない場合があり、この場合はスマートフォンアプリなどで修正が必要になるかと思います。なお、上で述べたGIMPであればキャンバスのサイズを調整することでアスペクト比の異なる写真を1対1の写真に編集することが可能です。
そしてなぜこれを書くかというと、後々になって画像を取り直したくなるからです。間違いなく。
マクロ撮影を活用する
おそらく現代のほとんどのデジタルカメラやスマートフォンにはマクロ撮影機能が搭載されているかと思います。
マクロ撮影というのは、簡単に言えば小さな被写体を大きく鮮明に撮影するための機能です。通常のカメラでは被写体に近づきすぎるとピントが合わなくなりますが、マクロ撮影を使えば数センチの距離でもしっかりピントが合います。これによって、商品の質感や細部まで鮮明に撮影することができます。
以前使っていた古いデジタルカメラはマクロ撮影機能があるものの手ブレ補正が効かず、ほんの少しの手ブレでも写真がボケてしまうことがありましたが、最近のスマホはマクロ撮影+手ブレ補正がセットになっていてかなり進化しています。
せっかく撮影をしたのに修正が効かないほどのブレが生じた写真になってしまうと撮り直しに苦労することになりますので、一度お手元のスマホのカメラ設定を確認してみてください。
卓上三脚を活用する
写真撮影では、手ブレが大きな問題となります。特にマクロ撮影や長時間の撮影では、わずかなブレでも写真がぼやけてしまうことがあるため、卓上の小さな三脚が有用です。
机の上に置ける小型の三脚はコンパクトで場所を取らず、撮影ボックス内でも扱いやすいです。カメラを固定することで、手ブレを気にせず撮影に集中できます。また、同じアングルで複数の商品を撮影する際にも、カメラの位置が安定して効率的です。Bluetooth接続のシャッタースイッチが付属しているタイプを選べば、スマホにタッチせずに済むのでより安定して撮影できます。
価格も手頃で、初心者でも導入しやすいのが利点です。高さや角度の微調整も簡単に行え、理想的な構図を追求する際に役立ちます。
三脚を使用することで、腕や肩への負担が軽減され、長時間の作業でも疲労が少なくなります。結果として、生産性が向上し、写真のクオリティも高まりますよ。何より腰が楽。
撮影のストレスを減らし、仕上がりを良くするために、卓上の小さな三脚の使用をおすすめします。
クラウドサービスと連携しよう
私はGoogle Pixelを使っているので、GoogleのクラウドストレージサービスであるGoogleドライブとGoogleフォトを活用しています。撮影した写真は自動的にクラウドにバックアップされるので、データ紛失の心配がありません。また、パソコンとスマホ間でのデータ移行もスムーズに行えます。
大量の写真を扱う場合、Googleフォトへアクセスしアップロードされた大量の写真を一括でダウンロードして利用することで作業効率が格段に向上します。SDカードをUSB経由で取り込む必要がなくなります。
クラウドサービスは他にもDropboxやOneDriveなどがありますが、自分の使用環境やデバイスに合わせて最適なものを選ぶと良いでしょう。私はGoogleのサービスとの相性が良いので、これらをメインで使っています。
クラウドサービスを活用することで、写真撮影から掲載までのプロセスがよりスムーズになります。ぜひ一度試してみてください。
まとめ
ここでは写真撮影における撮影の効率化に重点を置いて説明してみました。写真の撮影には他にもテクニックなどがあるので別の記事で書きたいと思いますが、冒頭で述べた通り、写真撮影というのは長い時間と根気が必要となります。
ここで書いた内容を参考にしていただいて、自分流の効率の良い写真撮影のスタイルを確立してもらえればと思います。
ご参考になれば幸いです。