扱いが難しいが非常に売りやすい商材
シルバーアクセサリーで最も売れやすいカテゴリーは何かと言われれば指輪です。
理由はとても単純で、ペンダントは首にしかつけられない、ブレスレットは両腕にしかつけられない、ピアスは両耳にしかつけられない。しかし指輪は10本の指すべて見つけることができます。
すごく単純です。装着できる部位が最も多いアクセサリーなのです。
ブレスレットは袖に隠れてしまいますが、一年中手袋をしている人はほとんどいないと思うので指というのは基本的に露出しています。
つまり季節に関係なく一年を通して購入されるアイテムなのです。
買い求めやすい値段
高価な宝石を埋め込んだものやハイブランド品でない限り、一つあたりの価格は数千円で済みます。ステンレス製など安価な素材でできたものは1,000円未満で売買されている商品もあります。
タイにおけるシルバーアクセサリーの価格は基本的に重量で決まるので、指輪一つあたりの売価はやはり数千円程度に収まってきます。
こう聞くと利益があまりとれないのではないかと思われるかもしれませんが、商品が非常に小さいので配送料を安く抑えられます。
このため得られる利益率は50%を超えてくることもあり、一つで数千円近い利益を取ることも可能です。
商品のバリエーションを出しやすい
指輪の頭部分のデザインは多種多様です。さまざまな意匠を凝らした商品を製作することが可能です。
オリジナルの商品を作る際の型代も比較的安く済み、試作品を作りやすいです。
天然石や宝石と組み合わせることもでき、シルバーだけではないバリエーションを出すことができます。天然石との組み合わせは一部熱烈に好きな顧客がいるので、そういった顧客に刺さるものを作れば大きな売り上げも見込めるでしょう(例えば誕生石に基づいた商品ラインナップなどが定番)
一年を通して売れ続ける
冒頭でも述べましたが、一年中手袋をしている方はなかなか少なく、指というのは基本的に露出しています。
シルバーアクセサリーは夏に最も売れやすい傾向があるのですが、指輪は季節関係なく一年中売れます。
そのため一度ヒット商品を生み出すことができれば安定的に売れ続けてくれるという特徴があります。
またコレクターのように多数の種類の指輪を揃えているお客様も多く、両手で複数箇所に指輪をされている方もおり、シルバーアクセサリーとしては珍しくリピーターになってくれる可能性もあります。
売れないものは本当に売れない
これまでメリットばかりを述べてきましたが当然難しさというものもあります。
どの商品にも言えることではあるのですが、指輪は売れないものを引き当てた場合、本当にいつまでたっても売れません。
二年、三年販売をしても売り切ることができないほど、外した場合は売れない商材です。
赤字覚悟で叩き売りをしようとしても、そもそもデザインが受け入れられていないわけですから見向きもされないことが多いです。
後述する仕入れの難しさも相まって、売れなかった場合に多量の在庫を抱えるリスクがあります。
一つのデザインに対して多量の仕入れをしなければいけない
日本人の指のサイズは15号から20号です。
一サイズの最低仕入れロッドは5つからですから、上記のサイズをカバーしようとすると、一つのデザインで30個の仕入れが必要になります。
小さな商品ですから一個あたりの仕入れ値はさしたるものではないのですが、30個仕入れるとなるとなかなかの値段となってきます。
また日本人は手の小さな方も多いです(特に女性)、そうすると15号未満のサイズを求めるお客様も大勢いるので、その機会損失を補おうとするとさらに仕入れ個数が多くなります。
まとまった数の仕入れが必要なことと、前述したとおり外した場合は本当に売れないのであっという間に多量の在庫を抱えることになります。
テスト販売をするにしてもサイズの幅を狭めてしまうと、商品に需要があるのかサイズに需要があるのか見極めづらく、これも仕入れを難しくしている原因だと思われます。
指輪を仕入れる場合は特に慎重な商品リサーチが求められるでしょう。
フリーサイズの指輪を作るという選択肢もある
指輪のリングが繋がっておらずアルファベットの「C」のようになっている指輪があります。
シルバー925は柔らかい金属なので簡単に曲げることが可能です。上のような形状の指輪であればお客様からのリクエストに応じてある程度サイズの幅を調整して販売することができます。
タイでも上記のようなタイプの指輪が多く扱われているので、頭のデザインをオリジナルにして、リングは後から調整可能なこの形状にするという手があります。
これであれば、例えば10号から15号サイズをカバーできるタイプを一つ。
15号から20号をカバーできるタイプを一つ、この2種類程度を作っておけばテスト販売する場合も10個程度から始められますのでリスクを軽減することができます。
ただ顧客のオーダーに応じてリングの幅を調整しなければなりませんので、指輪専用のメジャーとリングストレッチャーが必要になります。
一度変形させた指輪は元に戻すことが難しいですし、調整した指輪に対してユーザーのクレームがつき返品されても再販売がしづらいという面もあります。
このタイプの指輪はあくまでテスト販売用として作らせ、ヒット商品を見つけることができたら各サイズ別に完全な指輪を作り直すという手もあるかもしれません。
この両方のメリットデメリットをよく吟味して製品開発に活かしていただきたいところです。