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シルバーアクセサリーを売るうえでよくあるトラブル

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物販でクレームをはじめとしたトラブルは付き物と考えよう

残念なことですが、一般顧客向けに販売を行う物販においてトラブルは絶対につきもので避けては通れません。

これは仕入れ、輸入、販売すべてのプロセスにおいて発生します。

トラブルが起こると非常に精神的なプレッシャーがかかりますし、直面した瞬間に気分が最悪になりますが、たとえ個人といえども事業主であることには変わりありません。ここは歯を食いしばって対応し場数を踏んでトラブルに強い経営をして行きたいところです。

今回は時系列を追って私が経験してきたトラブルについて書いていこうと思います。

税関で商品を没収される

これはまだ私がタイ物販を初めて間もない、というか初めてタイに買い付けをしに行った時のトラブルなのですが、ワシントン条約で輸出が制限されているワニ革、ヘビ革、ゾウ革の財布類を現地で買いつけ日本に帰国した時たまたま税関でひっかかってしまい20万円相当のこれらの品々を没収されました。

これらの品々を日本に輸入する場合はCITES(サイテス)と呼ばれる書類を作成し、タイと日本政府の許可をとったうえで輸入しなければなりません。

この頃にはまだサイテスについての知識がなく、全くこういったリスクについて無知なまま輸入を行ってしまい、たまたま引っかかった税関で中身を見られ商用の仕入れと判断されてしまいました。

一応選択肢としては正式なサイテスが発行されるまで税関の倉庫で預ることができるとのことでしたが、たしか一日あたり3,000円くらいの保管料が取られると言われました。

別記事にまとめていますが、サイテスを発行しての輸入は早くても二ヶ月かかりますので最低でも18万円かかってしまいます。そんな金を払うのであれば税関に処分してもらう方がまだましです。というわけで私は泣く泣く20万円の商品を手放す羽目になりました。

この失敗から得られた教訓は「無知は罪」であるということです。

私は最初の買い付けでこういったトラブル(自業自得ではありますが…)にあったのでその後しっかり調べた上でサイテスを発行した正式な貿易を行うだけの知識がつきました。

ただこれが税関でひっかからず、その後常習的に仕入れを行っていた場合、禁輸品を正式な手続きをせずに輸入していたということで罪に問われた可能性すらあります。

ある意味怪我の功名と言えるかもしれません。

皆さんも同じような体験をしないよう勉強をしていただきたいと思います。

商品を2回作り直しになる

これも初心者の頃にやった失敗なのですが、相手方がタイ人の方でコミュニケーションに齟齬があったためかファスナーの材質や形状の間違いで商品を二度作り直す羽目になったことがあります。

一度目は同色で五つ発注をかけたうちの三つと二つで全く違うデザインのファスナーになっていたので、これでは販売に差し支えると思い時間がかかりましたが作り直しを依頼しました。

二度目はファスナーの金属が銀色と金色で混合しており、これもまた販売に差し支えるため作り直しを依頼しました。結局商品が手元に届くのに合計で五ヶ月近くかかってしまいました。

当時の私はとても未熟だったので、この事態についつい感情的になって延長された納品についての補償を求めたのですが、残念ながら商品を作り直す以外の保証は受けられませんでした。

サプライヤーは顧客からのオーダーに応じて職人に製作を依頼する過程を仲介しているだけなので、出来上がった商品に対してプラスの補償をするというものは契約に入っていません。

相手方もファスナーの色や形状がそんなに重要なことなのか?という対応で思わず文化の違いを感じてしまいました。全てのタイ人の方がこういった対応をされるわけでは決してないことを前置きしますが、やはり日本の仕事に対するきめ細やかさに慣れきってしまっているとこういうトラブルが起きたときかなり動揺します。

この失敗から得られた教訓としては、相手が間違えそうな細かい商品の仕様というのはできるだけ事前にこちらが考えた上で指示を出しておくということです。

「こんなこと言わなくてもわかるだろう」というのは輸入物販では通用しません。言わなければ相手はやってくれません。指示もされていないことを事前に先回りしてやっておくと言うサービス精神は基本的に日本人特有のものと思ってください。

ガンガン注文をつけて行くという図太さも身に着けて行きましょう。

加工が施されていない製品が届く

ある商品を20個仕入れたのですが、そのすべてが型から取り外されただけで何の加工もしてないブレスレットだったことがあります。

しかも販売した顧客からクレームが入るまで気づきませんでした。そのクレームが入るまで三つ販売をしているのでよくそこまでクレームが入らなかったものだと思いました。

内容としてはよくある不良品だと思うのですが、通販で物を買っているのとはわけが違うので商品の写真を撮り、サプライヤーから問屋に交換が可能か問い合わせてもらう必要があります。

この事例で行くと納品されてから一ヶ月以上が経過しているので返品を拒否される可能性も充分にありましたが、無事完成品と交換してもらいました。

ただ17個の製品はすべて作り直しになり、納品までに一ヶ月以上かかりました。売れ筋だったのでかなりの機会損失だったと思います。また交換には応じてもらえましたが国際配送料はこちら持ちです(これは重要です。基本的に相手に負担は求められません

このときはタイへの輸送費用をこちらがもち、受け取りはタイに買い付けに行く際に受け取りましたが、また税関で止められるのではないかとヒヤヒヤしていました。税関で止められた場合はその製品が返品交換品であることを証明しなければなりません。国境を越えて物を運ぶということの面倒くささがお分かりいただけるかと思います。

このトラブルから得られる教訓は「検品はちゃんとする」に限られるのかなと思います。

検品して不良品を見つけたところで返品交換にかかる費用は結局発生していたと思いますが、不良品をお客様に売りつけてしまったがゆえに付けられる悪評は物販を行う上で何より恐怖を感じます。お客様からの評価はその後の売り上げに直結して行きます。

目先の利益よりも長い目で見た場合に信頼というものが重要であることを心に留めておいていただければと思います。

販売先の顧客から寄せられるあれこれのクレーム

・見た目が思っていたのと違った!

・これはシルバー925じゃない!偽物だ!

・届いた日が一日ずれたから返品したい!

・買ったけど気が変わったから返品したい!

・二ヶ月前に買った商品だけど返品したい!

このような理不尽なクレームについてはどういう風に対応するかというと、ヤフーショッピングやアマゾンや楽天などで販売している場合、商品が破損していないのであれば対応しなければなりません(さすがに二か月前に買ったものはショッピングサイトの規定でも断ることが可能)

販売プラットフォームの規則は基本的に購入した顧客の味方ということを覚えておきましょう。電子商取引法は消費者の保護を優先しています。セラー側としてはこの規定に従うほかありません。従わない場合は最悪販売停止の処分を下されることもあるからです。

じゃあメルカリ、ヤフオクなどはどうなるかというと、事業者として出品していない場合、つまり個人のアカウントで個人として販売している場合は上記のような理不尽なクレームについては突っぱねることが可能です。

突っぱねた後に悪評を付けられても評価の削除依頼もできます。

当然ですが明らかにセラー側に非がある正当なクレームについては真摯に対応することが必要です。多くのシルバーアクセサリーはハンドメイド品が多く、全てが全て商品説明通りの造りになっていることは残念ながら難しく、お客様の性格によってはそういった細かい違いを気にされる方もいらっしゃいます。一見理不尽そうにも見えるのですがこちらがあらかじめ示している仕様と実物に差異があるのですから、購入者の言い分が正当となります。

革製品を扱っていても同じです。動物の皮なのだからすべて寸分違わぬ工業製品のような商品を作れないということは承知の上で買ってくれるお客様がほとんどですが、なかなかご理解をいただけないお客様もいらっしゃいます。

こういったクレームを受けると我々も負の感情を抱いてしまいますし思わずクレームをつけてくるお客様に物申したくなる時もありますが、その状態に陥ってしまっている時点で突っぱねても悪評しか付けられません。評判はポジティブなものよりネガティブな物の方がつく可能性が高いからです。

商品に欠陥がないのであれば返品にかかる費用は相手に持ってもらうこともできます。そう考えると商品が無事に帰ってくれば次にまた販売をすれば良いだけですし、面倒なことはさっさと解決して次に行くのが精神衛生的にもよいと思います.

こういったクレームは永遠になくなりません。クレームに対するフットワークを軽くし柔軟に対応するすべを身に付けていくこともセラーとしての能力の一つだと思います。


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