事業が黒字になったときに助けてくれるかもしれない
私は創業まもなく、まだ赤字の段階から商工会議所に入会していました。
大変お世話になっている社長へ資金調達の相談をした際に、商工会が間に入ってくれるマル経融資(小規模事業者経営改善資金)の活用を勧められたことが理由です。
このマル経融資を受けるためには、商工会(または商工会議所)の経営指導を6ヶ月以上受けなければならないという前提条件があるのですが、実際のところは商工会の会員にさえなっていれば前提条件は満たすことができます。
確定申告においてかなり有力なアドバイスをくれる
皆さんこれから小規模であれ事業を始めるわけですが、広く知られている通り所得が20万円を超える場合確定申告が必要になります。
確定申告には白色申告、青色申告とありますが、基本的には65万円の控除を受けられる青色申告を選ぶ方が多いでしょう。しかし青色申告を受けるためには帳簿記帳を複式簿記で行わなければなりません。
簿記検定を受けている方ならばある程度想像できるかもしれませんが、経理の世界と無縁であると、この複式簿記の記帳の仕方はかなり苦労するかと思います。苦労するというより日本全国の経営者がこれらから作られる決算書に心血を注いでいるわけです。
ある程度資金力のある企業であれば、顧問税理士に委託し、これらの書類を作成するわけですが、まだ事業を起こしたばかりで数十万円程度の資金力しか無い方にとって税理士へ顧問料を払うのは現実的には難しいと思います。
そういった状況で商工会へ入会し(入会しなくても支援を受けられるようですが)経理作業の指導を積極的に行ってもらえるとこの厄介な決算書作成に非常に大きな力を貸してくれます。
現に私はかなりこのサポートに助けられました。
いきなり銀行へ融資を申し込んでも門前払いにされる可能性が高い
私が商工会に入った目的はマル経融資を受けることだったのですが、赤字の状態から経営指導を申し込みいざ黒字化した後、具体的にこの融資の話を進めたところ、商工会の担当者から地元の第一地銀の創業融資を紹介されました。
マル経融資ではなく地元の銀行を紹介してくださった本当の理由は今もよくわかりません。あまりマル系融資に対して積極的ではなかった可能性もありますし、地元の銀行に紹介した方が私のためになると思ってくださったのかもしれません。
ただ今にして思うと、全く実績のない個人が地方銀行に融資を申し込みに行っても門前払いされる可能性が高かったのではないかなと思います。
銀行がサラリーマンに対して住宅ローンやカーローンなどの貸付を行うのはあくまでその方が務めている会社に対する信用の上でお金を貸し付けていますが、事業をする場合は事業者である皆さん個人の信用を見ます。
勤め人をしながらであったとしても、勤め人としての信用は残念ながら見てもらえません(そこからの収入は融資の判断材料になるかもしれませんが…)
そうなってくると、全く取引実績のない銀行に見知らぬ人間がいきなり「金を貸してくれ」とこられても、そう簡単ではなかったのかなと思います。
このことを考えると地元の金融機関と当然強い結び付きのある商工会が間に入って銀行に私を紹介してくれたということは今現在において非常に有利に働いてくれていると思います。私はこの紹介で銀行の創業融資を受けられ、かなり有利な条件で初の資金調達できたわけです。
私はこういった結果になりましたが、もちろん皆さんがマル経融資を目的に商工会に入り、その融資を受けることを前提にすることをおすすめします。ぜひ成功させてくださいね。
一定のお金を払って信用を作っていくと考えてみる
商工会から銀行を紹介され銀行からの融資に成功した後、私はそのまま日本政策金融公庫にも融資の申し込みを行ない調達に成功しています。日本政策金融公庫の担当者は私が出した商工会の担当者の名刺、地元地方銀行の担当者の名刺を見てすぐに誰であるかわかったようで、どちらの担当者とも連絡をとっていらっしゃるようでした。
日本政策金融公庫は国の金融機関であるため預金口座ありません。つまり日本政策金融公庫が貸し付けたお金はどこかの銀行が管理してくれなければならないわけですが、その貸先が預金先銀行から融資を受けていればその銀行を介して貸し付けたお金の監視をしてもらえます。お金を借りるのはかなり面倒な手続きが必要なのでその手続きを問題なく通過しているという実績がさらに資金を調達するための信用になりますし、地元商工会に属している人間であればこれも信用になります。
私の地元では会費は年8千円です。その他の地域でも1万円いくかいかないか程度かと思います。
この程度の費用で信用を構築して行けるのであればある程度許容できる出費ではないのかなと思います。
ご参考になれば幸いです