アイデア出しに最適な生成AIによるデザイン提案
もともとプロダクトデザインをしている方などは大丈夫だと思うのですが、私のように絵がかけない人間にとって、オリジナルでシルバーアクセサリーのデザインを作るというのは至難の業です。
インターネットで検索して、ある程度売れ筋となるデザインを参考にすることはできるのですが、それをプロダクトとして昇華させるには、やはりある程度固まったデザインが必要になります。
(とは言え、実際はデザインに起こさなくても工場の職人に頼めばスケッチをして具現化させてくれる場合がほとんどですが)
そこで今回は、昨今世の中を変えつつある生成AIにシルバーアクセサリーのデザインを提案させる方法についてご紹介したいと思います。
生成AIで提案させたデザインのサンプル
こちらの画像は私が適当にプロンプトを打って生成AIに提案させた指輪のデザインになります。
プロンプトの内容は「王冠をモチーフにした意匠を凝らした指輪を提案して」たったこれだけです。
いかがでしょうか?これが売れるか売れないかは別にして、ほぼこの画像だけで製品のイメージが出来上がってしまっていることがわかるかと思います。
あとはこの画像を工場に持ち込み、実際に商品として作ってもらうだけです。
本来であれば、自分でイラストを起こしたり構想を練ったり、デザイナーに頼んで構図を起こしてもらったりと時間と費用がかかりますが、この絵を生成するのにかかった時間はたかだか30秒程度です。
まさにプロダクトデザインの革命といっていいのではないでしょうか。
シルバーアクセサリーのデザインのアイデア出しに最適なAIの種類
いわゆるお絵かき生成AI(Stable Diffusionなど)でもいくつか試したのですが、学習しているデータのベースが違うのか、アクセサリーデザインはあまり得意ではないようでした。
前述の指輪のデザインに使ったAIは、OpenAIのChatGPTプラスで使用できる「DALL·E 3」です。
DALL·E 3自体は無料でも利用可能なので、ぜひ使ってみてください。
非現実的なデザインも提案されるので注意しよう
生成AIが提案するデザインはとても魅力的なものが多いのですが、よくよく観察すると「これって実際にできる?」と疑問に思ってしまうようなデザインも出力されます。
例えば冒頭の写真などはわざと生成AIに大げさで華美なデザインを提案させているのですが、果たしてこれを工場に持って行った時に現実的にやってもらえるのか少々疑問です。造形が凝りすぎていてモールドとして成形できるのか不安ですし、天然石のあしらい方も複雑で強度に不安を覚えます。また、できるとしてもモールドの作成にかなりのコストがかかるのではないかと思ってしまいます。
生成AIを使っている時に陥りがちな感覚なのですが、かっこいい生成物が出来上がってしまい、興奮したまま製品にしようと思うと無茶が出てくるかもしれません。その場合はその画像を元に現実的にできるかどうかを工場に確認し、必要であれば簡略化を頼んでみるのも手です。
サイズ感なども提案してもらえる
出来上がった画像に対して、追加でサイズを出させるプロンプトを実行してください。先ほどの天然石をあしらった指輪のサイズを出させると、以下のような答えが返ってきました。
中央のラピスラズリの大きさ: 約10mm x 8mmのオーバルカット。これは、存在感を持たせつつも指輪としてのバランスを保つサイズです。
リングバンドの幅: 約5mmから8mm。中央のラピスラズリ部分に向かって徐々に広がるデザインです。
リングの厚み: 約2mmから3mm。しっかりとした厚みで、耐久性と高級感を兼ね備えています。
フィリグリーやダイヤモンド装飾のサイズ: 装飾部分は細かなディテールを再現するため、フィリグリーの幅は約1mm、ダイヤモンドは1.5mmほどの小さなサイズになります。
オリジナル商品を工場に作らせる際に製品の寸法を聞かれるので、これらの数字を参考にして現実的な製品のサイズを想定しておきましょう。よりオーダーがスムーズになるかと思います。
あくまでツールと割り切る
この記事を読んでいるシルバーアクセサリーの物販を始めたい、例えばデザイナーの方がいれば、ぜひご自身の心の中にある商品をご自身の手で具現化してみてください。ここで紹介した生成AIの使い方は、デザインを起こせない私のような人間が製品を製作するためのツールでしかありません。
ツールはツール、なんたって出来上がった商品が売れないとどうにもなりませんからね。
ご参考になれば幸いです。